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なぜTPM上場企業が急増しているのか?
COLUMN

なぜTPM上場企業が急増しているのか?

2020年度のTPM(東京プロマーケット)上場数は、過去最高だった昨年度を上回る15社程度に増加する見込みです。
それにより累計上場数は2015年の3倍の40社程度に達する予定です。

TPMは英国ロンドン新興市場「AIM」をモデルに、東京証券取引所とロンドン証券取引所が2009年に合弁で設立した「TOKYO AIM」が母体となっており、株式の売買をいわゆる「プロ投資家」に限定することで、利益や時価総額など形式的な上場基準を設けていないのが特徴となっております。
ロンドンAIMは800社以上が上場しておりますので、TPM市場も今後さらに成長することが見込まれます。

2つの急増要因

2020年に入ってTPMの上場数が急増しているのには大きく2つの要因が考えられます。

要因1 新型コロナウィルスによる業績の不安定化

 「マザーズ」や「ジャスダック」などの新興市場を目指していた企業が、新型コロナウィルスの影響で、マザーズ等の新興市場が定める業績などの「形式基準」を満たさなくなったため、形式基準のないTPMに一時避難的に上場を目指す例が増えております。

要因2 証券市場の再編

2022年4月1日より、一般市場である「東証1部」、「東証2部」及び新興市場である「マザーズ」、「ジャスダック」が、「プライム市場」、「スタンダード市場」、「グロース市場」(新市場の呼称は仮)に再編されることが決定しております。
例えば、これまで「ジャスダック」を目指していた企業は、新市場では「グロース市場」を目指すことになりますが、現在のジャスダックの形式基準よりも新市場の「グロース市場」の形式基準の方が厳しいため、ステップアップのために、まずはTPMを目指そうという企業が増えております。

これらの動きにより、TPMは上位市場への「ステップアップ市場」であるという位置づけがより明確となってきました。

昨年度より日本M&AセンターがTPMのJ-ADVISER業務を開始して注目を集めております。
TPMの上場によって得られる信用力や資金調達力をもとにM&Aにより成長を加速し上位市場を目指すというビジネスモデルが、今後益々スタンダード化するのではないでしょうか。

WRITER

吉谷 哲朗

公認会計士・税理士

吉谷 哲朗

Tetsuro Yoshitani

2003年公認会計士試験に合格。大手監査法人でキャリアを積んだのち、2008年から4年間上海にて日本企業の海外進出をサポート。
現在は「成長する企業のパートナー」として、M&A、海外進出、事業承継に取り組む。また2018年に立ち上げた(一社)北陸東京プロマーケット上場支援協会にて、中小企業の上場をサポートしている。

(株)はくさんパートナーズ 代表取締役

http://hakusan-ps.com/

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