相手の想像を超えて感動させるサービスを提供したい
INTERVIEW

相手の想像を超えて感動させるサービスを提供したい

相手の想像を超えて感動させるには、どのようにすればよいか?コミュニケーションと提案力を手に入れるためにどのような姿勢で仕事をしているか聞いてきました。


和倉温泉 ホテル海望 / 総務部長兼業務管理部長

宮田 清孝

Kiyotaka Miyada

【経歴】
石川県穴水生まれ
中学生から6年間金沢に住む
高校卒業後、ドイツに音楽留学(指揮者)
帰国後、和倉温泉ホテル海望に就職
2018年、総務部長兼業務管理部長就任


【会社情報】
和倉温泉 ホテル海望
https://www.kaibo.co.jp/

相手の想像を超えて感動させる

前川:最近、印象に残る出来事はありましたか?

宮田:最近、従業員の喜んでいる顔が見たいと思うようになってきました。そこで社員研修後、従業員に揚げたての天ぷらを食べてさせたいと思ったのですが、会場のホールにその設備がなく、フライヤーを準備しようと思ったのです。しかし、メーカーに電話をしたら、難しいと断られました。そこで、フライヤーは電気を使うので電気会社に連絡をしたところ、「少々お待ちください」と言われた後、「今課長がメーカーに器材を取りに行っています」と言われました。すごい行動力だなと思いました。それで、社員さんが3人ほどでフライヤーを届けてくれました。

前川: それはすごいですね。それこそ“仕事”ですね。

宮田: これはサービス業も泣くぞというくらいの仕事ですよね。もちろん地元企業として電気を使ってもらいたいというのはあると思います。弊社にも他県から「うちのほうが電気代安いですよ」と営業に来ます。しかし、フライヤーの一件のような田舎のあたたかい心を感じると、田舎っていいなと思います。

前川: 付加価値ですね。勉強になりますよね。

宮田: 何事にも変えられない付加価値を感じました。今日一番嬉しかったです。

前川: やはり速く反応するというのはいいですよね。

宮田: 弊社のような中小企業に対してそこまで動いてくれるなんて想像を超えていました。こういうのが大切だと感じました。

前川: 想像を超えて感動させるというのは大切ですね。

宮田: はい。想像を超える喜びです。

前川: 僕もそれを意識しています。意外と簡単なことで予想を超えることはできますよね。

宮田: 予想をしていなかったことをするということですよね。

前川: はい。例えば、人を紹介してほしいと言われたら、普通は1~2週間後に連絡があるというイメージです。でも、紹介してほしいと言われてから2時間後に紹介するとか。

宮田: なるほど。いくつかそのようなポイントがありますよね。その反応時間のポイントもそうです。

前川: 一番コストがかからないのは反応時間を短縮することだと思っています。

宮田:そうですね。前川さんは今すぐ動ける状態にしている、というのがすごいなと思います。以前、前川さんに教えていただいた、スケジュールを立てるときに余白を作ったほうがいい、ということですよね。僕は時間を詰めて仕事をするのがいいと思っていたので、そのときに本当にしなくてはいけない仕事が降ってくると、「時間がないしできない」となってしまいます。それは「急に降ってきた仕事も含めてできる」というのと大きな差があると思うのです。なので、反応時間を短縮できるような仕事の仕方をしているのはすごいと思います。心に余裕がないと無理だと思うのです。

前川:心に余裕を持つのは大切ですね。

インターンシップを招き社内コミュニケーションを円滑にする

前川: 今どのようなポジションで仕事をしていますか?

宮田: 6月1日から、総務として従業員全員に喜んでもらうということと、業務管理部で宿泊客に喜んでもらうためのコンテンツを考えるということをしています。

前川: なるほど。

宮田: 業務管理部での仕事については、お客さんに満足してもらえないのは、旅館の中の仕組みが原因であることがほとんどですので、お客さんに言われたことをすぐに改善できるような仕組みに内部組織を立て直していきます。

前川: コミュニケーションが大事ということでしょうか。

宮田: はい。今までも新入社員が入ってもすぐに辞めてしまうことがありました。理由を考えると、コミュニケーションがきちんととれていないのです。それは、新入社員が大人とコミュニケーションがとれないのも然り、大人が新入社員とコミュニケーションをとろうという気がないのも然りです。そこで、コミュニケーションを活発にするために、大学生をインターンシップで6ヶ月間ほど入れています。津田塾大学や青山学院大学など色々な大学の子が、休学してでも行きたいですと言って来てくれます。

前川: 観光学部ですか?

宮田: いや、全く関係ありません。インターンシップで来てくれるような学生さんは、コミュニケーションのとりかたが分からないとか、引っかかった悩みが解決できず「自分とは何か」と行き詰まっている子たちです。ここに来たら、コミュニケーションを取らざるを得ない環境になります。そして積極的にコミュニケーションをとり、従業員は「若い子っていいな」と思いますし、学生は「色々な考え方があるんだ」と幅が広がることで、お互いにコミュニケーション能力が上がっていくのです。

前川: 僕も教えてもらったのですが、コミュニケーションというのは相互理解活動のことだそうです。

宮田: 本当にその言葉の通りだと思います。「活動」ですよね。動かなければコミュニケーションはとれないと思います。インターン生にも活動の一環として、月一での社内報作成をしてもらっています。従業員としては業務間で知らないことがいっぱいありますし、学生としても自分の知らない人に取材に行き話を聞かせてもらって、ただでさえ知らない業務のことに加え、高年齢の人がどのような考え方をしているのかということに触れることができます。例えば、本当は海望のことが好きだけれど、恥ずかしくて言えなかった従業員もいます。学生という、利害関係の無い人たちが入ってくることで、従業員間のコミュニケーションがすごく上手くいきます。今は、新入社員よりもインターン生に来てもらうことを優先しています。

前川: 話しやすいのかもしれませんね。

宮田: はい。孫に話すような感じで話しています。

課題を解決する過程に仕事のやりがいを感じる

前川:仕事のどんなところにやりがいを感じますか?

宮田: 課題は多すぎますが、解決しようとしたら必ず結果がついてきて、一生懸命やることでちゃんと解決することです。その過程がすごく楽しいです。僕はもともと指揮者になりたかったのですが、コンサートまでに、オーケストラをどのように持っていくかというのに似ています。

前川: なるほど。経験が生きているのですね。

宮田: はい、かなり大きいと思います。最初からこうしたいという想いがあって、そこに進むだけだという感覚は、音楽の経験で備わったものだと思います。

前川:確かに、オーケストラでみんなフルートだったら面白くないですよね。

宮田: はい。みんなバラバラの楽器で音色が違うからいいのです。

前川:その例えは悔しいほどかっこいいです。よくスポーツに例える人はいますが、音楽に例えるのはオシャレですね(笑)

宮田:オシャレですか(笑)。ただ、やはりオーケストラで挫折したのが自分の中で尾を引いています。高校生のときに指揮者になりたいと思いましたが、自分の努力が足りなかったですし、諦めたことを後悔しています。それで、自分はそういう人間なのだと決めつけているところがあります。ただ、昔ほど後ろ向きではなくなったと思います。

前川:それを自分で感じるのですね。

宮田:はい、自分で感じます。後ろ向きでなくなったのは、前川さんとの出会いが大きいと思っています。

前川:僕ですか?

宮田: はい、自力で変わったのではないと思います。今まで、同じ年代でしっかりとした仕事をしている人、尊敬できる人というのはそんなにいませんでした。同級生の前川さんと話をする中で、尊敬できる人ができたというのは、やりがいが余計増した感じがします。

お客さんの言いなりではなく、プロとして逆提案をする

前川: そういえば、宮田さんは反応が早くなったと思います。今日も「ご飯行こう」と誘ったときに、「分かった」と言ってすぐにお店の予約をしてくれました。前まではできませんでしたよね。

宮田: 以前は「ちょっと待って、その日予定があるかもしれない」とか言っていましたね。

前川: 融通が利くようになったと思います。そのときは余裕が無かったのかもしれませんね。余裕の幅が変わったのでしょうか。

宮田:そうかもしれません。

前川: さっきのもいいですよね。「ちょっとごめん、15分予定が入ったからゆっくり来て」というのも、過去の宮田さんは言えないと思います。「どうしよう、どうしよう」と言いながらモタモタしていると思います(笑)

宮田: 確かに言えないですね(笑)。よく見せようという部分があるのだと思います。従業員でもあるのですが、1組目のお客さんから食事をお願いされて、2組目のお客さんにも同じ時間に食事をお願いされると、それを断れないのです。お客さんが望んでいることが全てですからこなそうとしますが、同じ時間に同時に一人で料理を出すというのは無理です。2組目のお客さんに「それでしたら15分後だとスムーズにお料理を出せます」と別提案をできるはずなのですが、それができない状況というのは、今までの自分と同じだなと思いました。

前川: 大事なことですよね。相手によりよいサービスを提供するという点で、こちらはプロですからね。

宮田: はい。今までのサービス業というのは、お客さんから言われたからそれを完全にこなさなくてはいけない、つまり言われたことをしなくてはいけない、というものでした。しかし、段々と変わってきて、よりお客さんにいい状況になってもらうためにはどうしたらいいかというのをこちらで考えて、逆提案しなくてはいけないと思うのです。例えば、日本の文化を学びたいという外国のお客さんが来たときに、果たしてそれは茶道や花道なのか、もっとクリエイティブな新鋭のお花の生け方だとか、お茶でも椅子に座ってできるような簡素なものなのかを汲み取る必要があります。お客さんはしっかりと詰めていない状態で言ってくることが多いので、ちゃんと咀嚼して返してあげなくてはいけないと思います。自分自身ができないと、会社全体ができないと思うので、自分ができてきたのなら嬉しいです。

能登を盛り上げたい人に会いたい

前川: 会いたい人はどんな人ですか?

宮田:今まで、積極的に人に会おうということをしてきていないような気がします。ただ、ここにいる以上は、地元の人としっかり話をしたいと思いました。自分と同じ悩みを抱えていたり、一緒に能登を盛り上げていこうというような人がいると思うのです。しかし、僕はあまり表に出ませんので、そういう人と繋がって一緒に何かをしようという話になっていません。

前川: 能登を盛り上げたいと思っている人に会いたいのですね。

COMPANY INFO


和倉温泉 ホテル海望

【住所】
〒926-0175 石川県七尾市和倉町和歌崎部12−3(MAP

【TEL】
0767-62-1515

【ご予約・お問い合わせ】
下記ウェブサイトを御覧ください。

【WEB】
https://www.kaibo.co.jp/

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