顧問契約を依頼することの最大のメリットは「トラブルの予防」です
COLUMN

弁護士は意外と「ツカエル」 ~顧問契約のメリット~

「うちは弁護士に依頼するようなもめ事はないからなぁ」。私が名刺交換させていただいた際、経営者の方がよくおっしゃる言葉です。この言葉からは、「弁護士=もめごとが起きたらお願いするもの」と考えておられることが分かります。

ところが、弁護士の目線からすると、これは非常に残念であり、危険と言えます。もめ事になってから弁護士に依頼するのと、もめ事になる前に弁護士に相談するのとでは全く異なるからです。たとえば、退職した従業員から残業代が請求されたとします。この時点で相談に来られると、従業員側が証拠を揃えている場合、会社側は相当不利な戦いを強いられます(1人あたり1,000万円を超える請求をされることもあり、複数名から同時に訴えられた場合、資金ショートの恐れすらあります)。しかし、事前に労働環境についてのご相談をいただければ、定額残業制度の導入や残業の許可制度や書類の整備、業務効率化などによって、残業代が大幅に削減できる可能性があります。つまり、弁護士の仕事は、「トラブルになってから」だけでなく、「トラブルになる前」、「トラブルの予防」もあるのです。顧問契約を依頼することの最大のメリットはこの「紛争予防」です。私自身、仕事をしていて、「もっと早く相談に来ていただいていれば、よりよい解決ができたのに…」と思うことがたくさんあります。日常から弁護士に相談することで、安心感を持って本業に専念していただくことができます。ただ、多くの弁護士はトラブルの予防をあまり打ち出しておらず、経営者の方々もご存じない場合が多いです。これまでの弁護士の怠慢であったと私は思っています。

より相談しやすいと思っていただくため、私が大切にしていることがあります。それは、どんな相談でも基本的にお断りしないということです。顧問先の社長には何でもご相談下さいと伝えています。そのため、相談内容は多岐にわたります。法律的な相談だけでなく、新規事業を行うにあたって意見を求められたり、人材の採用について相談を受けたり、提携するパートナーについて意見を求められたりすることもあります(お勧めの飲み屋を聞かれたことも…)。仮にそれが法律的な問題でなく、私の専門外のことであったとしても、その道の専門家をご紹介することができます。また、私なりの意見をお答えすることもできます。仕事柄、多くの職種の人と付き合いがあるため、そこで培った豊富な人的ネットワークを駆使することで、より満足感を高められると思っております。そしてこれがもう一歩先の企業価値の向上に少しでも寄与することに繋がればと思っております。

企業価値の向上という観点からすれば、他にもメリットがあります。例えば、顧問弁護士を依頼しておけば、「当社には顧問弁護士がいます」と公表することができます。私の顧問先の社長の中には「この弁護士がうちの顧問なんだ」としきりと知人に紹介される方もあります(私としては何だか面はゆい感じをいつも受けていますが、嬉しいことです)。

顧問弁護士がいるというだけで、それだけしっかりしている会社だなと思われ、信頼感もあがるわけです。他にも、顧問契約に付帯された従業員の相談無料サービスを使えば、従業員の福利厚生にも有効です(従業員が相続争いに巻き込まれた、交通事故で相手がごねている、近隣トラブルで困っているなど。もちろん、会社相手の相談は受けられませんが)。

何より、顧問契約を締結することで弁護士をより身近に感じていただき、いつでも相談できる、色々なことを相談できるという安心感に繋がり、あたかも社外における幹部社員、片腕を得たように思っていただくことができます。社外における幹部社員が月額5万円から手に入ると思えば、非常に安いのではないでしょうか。

WRITER

小倉 悠治

弁護士・経営心理士

小倉 悠治

Yuji Ogura

2004年、東京大学教育学部 卒業。2007年、慶應義塾大学大学院法務研究科 修了。2018年3月、小倉悠治法律事務所 開設。2018年4月~ 2019年3月、金沢弁護士会 副会長。
弁護士資格のみならず、経営心理士・キャッシュフローコーチの資格を有し、法務のみならず労務、財務も含め心理面まで見据えたサポートを得意とする。「社長の社外幹部」として企業の成長と発展に貢献。

小倉悠治法律事務所

https://ogura-kigyohoumu.com

記事一覧
Pocket