たとえ創業者が死んでからも後世に長く続く会社にしたい
INTERVIEW

たとえ創業者が死んでからも後世に長く続く会社にしたい

100年続く企業を残す為に取組んでいることとは何か?若手経営者の小林専務にその取組を聞いてきました。


株式会社サンリーホーム / 専務取締役

小林 和晃

Kazuaki Kobayashi

【経歴】
高校卒業後、大工として働き始める
母と一緒に株式会社サンリーホームを創業
CPM(米国不動産経営管理士)、賃貸不動産経営管理士の資格を生かし専門的なアドバイスを行っている。
同社は地域密着営業に定評があり、物件の稼働率は圧倒的な結果を出している。

【企業情報】
株式会社サンリーホーム
https://www.sunrihome.jp/

たとえ創業者が死んでからも後世に長く続く会社にしたい

前川:サンリーホームさんが儲かっている仕組みをお聞きしてきましたが、会社をよりよくしたいと思ったのは何故なのですか?(サンリーホームさんが儲かっている仕組みについては、質問していただければ読者の方へ直接お伝えします)

小林: はい。創業当時はパート社員だけでしたが、正直なところ会社がブラックだったのです。今の当社の基準を当時に照らし合わせると、当時はブラックで申し訳なかったと思います。勤務時間など昔のよくある不動産会社のようなイメージです。

前川: よくありますね。

小林: はい。その後これではいけないと思う出来事がありました。というのは、2年半前に正社員として30歳ほどの社員が入ってきまして、入社してすぐ結婚し、子供が生まれ、家を建てたのです。

前川: ライフイベントですね。

小林: はい。そうなると、正社員だけでなく、パート社員も含めてスタッフに対して責任を感じるようになりました。その30歳の社員のライフイベントの間にも、2人、3人と正社員が入ってきたのです。そこで改めて今後の展望を考えたときに、後世に残るような長く続く会社がいいなと思いました。

前川: なるほど。

小林: それならどれくらい繋げたいのか?死んでからもずっとだよな、と思いました。当時27歳頃でしたので、あと50年ほどしか生きられないとなると、100年後の会社を自分は見られないですよね。

前川: そうですよね。

小林: 創業当時は、創業者がいて馬力があって勢いよく会社が走っていたとしても、創業者が死んだ後に、次の50年、次の100年はどうするのかと考えました。

前川: そこまで考えたのですね。

小林: はい。ただ、いっぺんに会社を変えることはできないので、今少しずつ変えているところです。かほく市という地域だけで商売をさせていただいていると、社会的意義は果たせないと思いましたので、かほく市だけではなく石川県全域、全国、さらに地球全体までイメージしなければならないと思いました。

前川: なるほど、マーケットからではなく使命から考えたのですね。

小林:はい。マーケットは仕事と同じで後から付いてくるものだと思います。ですので、何をしなければならないか、というところから考えました。そこから逆算のように、では今私が最大限伸ばせる地域貢献、社会貢献、人類への貢献ができるものは何かと考えると、会社を大きくすることだと思いました。そのためには社員を雇わなければなりません。社員を雇うということは税金を払います。税金を払うということは、社員の家計を見ることになり、社員の生活の根本を当社が作り出すことになります。このように、会社を大きくすることを前提に考えていくことで、地域社会がよくなっていくと思いました。

前川: 僕は仕事で「社員のことを考えている」と社長さんが言うのをよく聞くのですが、あまり本気でそう思っていると感じることはありません。ですが、小林さんは真剣に思っているというのがすごく伝わってきます。

小林: はい、真剣に思っています。社員の給料が高いとか、福利厚生がいいとかに越したことはないのですが、それだけでは社員の満足には繋がっていきません。まずは、お客様にどのようないい商品を提供できるのかを、ブランディングから整える必要があると考えています。

採用の考え方 「就職は結婚と同じ」

小林: これは私の考えですが、私は就職は結婚と同じだと思っています。

前川: 面白い表現をされますね。

小林:今、インターンシップで来ている学生にも、真剣にそう伝えています。社会に出て初めて就職する会社ですし、もしかしたら定年まで30年以上働き続けるかもしれません。それを就職活動の約3ヶ月間で決めるのは難しいです。学生自身がしっかりとこの会社でいいのかと考えなくてはいけません。結婚と同じで、3月の就職活動ではお付き合いしたい相手を品定めし、6月の内定ではお付き合いが始まります。内定式は婚約で、入社式は結婚式です。そこから晴れて結婚生活がスタートします。このように、結婚と同じですから、どの会社と婚約するのか、さらにはどの会社とお付き合いをするのかを真剣に考えなくてはいけません。結婚してから失敗したくないじゃないですか。しっかりと「この人だ」と決めてから結婚することで、もし結婚後何かあったとしても踏ん張れると思うのです。

前川: そうですね。

小林: ですから、インターンシップで来ている学生には、経営理念がしっかりしている会社がいいとか、会社のこういうところを見るのがいい、とアドバイスもします。自分がなんのために働くのか、自己実現できる会社なのかをしっかり見極めることが重要だと思うのです。

前川: はい、そうですね。

小林:学生が感じているのは不安だと思います。「この会社は何を目指しているのですか?」とか「どれくらい給料がもらえるのですか?」ということをよく聞かれますが、大事なのはそういうことではないとストレートに伝えます。それで想いが少しでも心に残ってくれて、この会社で働きたいと思ってくれる人に来てもらえると信じています。

前川: なるほど、教育に力を入れる理由はそこに繋がるのですね。

小林:はい。その一環で、人に貸せば家賃で月に6万円とれるような部屋に、今年の2月に研修室を作りました。ただ、この部屋は研修のためだけでなく、自分の未来を自分で切り開く場所だと伝えています。始業前や終業後に勉強する、というように使ってほしいと伝えています。昼食もとれますし、休みの日も1日中使えます。

前川:それは面白いですし、めちゃくちゃいいですね。休みの日にその部屋に来て勉強するなんてモチベーションがとても高い人ですよね。

小林: はい。そのような方に会社に来てほしいので、会社が社員をバックアップしていることをアピールしたいのです。すると、人によって会社に対する印象が分かれます。「会社に入ってからも勉強しなくちゃいけないのか」と思う人もいれば、「勉強できるなんてすごい、自己実現できる」と思う人もいます。

前川: そんな学生と出会うことができたらすごいですよね。金の卵ですよね。

小林: そうなのです。このように会社の想いをダイレクトに伝えるので、本気で来てくれる人に来てほしいと思っています。もしいなかったとしたら、その年はご縁がなかったと思います。

前川: 僕もダイレクトに想いを伝えるのがいいと思います。

小林:ありがとうございます。仕事は厳しいものです。それを伝えて来てもらえないのであれば、会社も学生もお互いにとっていいと思うのです。どちらか一方でも「どうしようか」と迷うときは、採用したり就職したりしても辞職してしまいます。一人雇うのに、会社は長い目で見ると何千万円〜何億円の投資をするわけです。その投資を、新卒採用期間の3ヶ月間で本気で決めなくてはいけないのです。

前川: なるほど。

小林: ダイレクトに想いを伝えていたからか、今うちに来てくれる方は「第一志望がサンリーホームです」というような方です。そう言われたら「好きです」と告白されているようなものですし、こちらも「ありがとう!」という気持ちになりますよね。より一層、想いを伝えたくなります。

前川: そうですね。

「早いスピードを出せる同じ力で漕いで行く」のが会社

前川: 今、社員教育は何をしていて、またこれから何をしていきたいか教えてください。

小林:はい。創業10年目ですが、今までは自分たちの背中を見てくれというような教育で、しっかりとした社員教育はできていませんでした。しかしそれは違うと思い、改善するために先日から研修や勉強会を開いています。

前川:働いているみなさん自身に実感があるのですね。

小林:そうだと思います。夢を見て、それを実現に結びつけるというのが私の仕事だと思っています。言葉で語るのではなく、行動で語るということです。

前川: いい言葉ですね。行動で示すということですね。

小林:当たり前のようでなかなか難しいです。

前川: そうですよね。継続しなければいけないですものね。

小林: 私は色々な方のお力を借りたいのです。一人では何もできません。取引先やお客様だけではなく、社員の力も借りたいのです。学生にも「会社は船と同じで、一人では動かない。スタッフみんながいて、一人一人が主役となって動くのだ」と話しています。うちの会社は一騎当千で、百人力というくらい一人一人の力があります。部署に専属は一人だけで、そこをパートの女性スタッフが援護します。全体でチームとして仕事をしているのが当社なのです。ですから、一人では動けません。また、一人は熱があって、一人は熱がないという状態では、会社は違う方向を見ます。一人だけが頑張ってもだめで、みんなで頑張らないと同じ方向に進めないのです。

前川:なるほど。

小林: みんなで一致団結して、早いスピードを出せる同じ力で漕いで行くのが会社だと思います。人材教育をすることでみんなそれぞれの力や想いが強くなり、会社の成長速度は速くなります。結果を出せる仕組みを作ることが私の役目だと思うのです。

前川: なるほど、全てが理念という一本の筋から判断しているのですね。

どのような人に会いたいか?

前川: 今後どのような人に出会いたいですか?

小林: そうですね、私よりも熱量のある人に会いたいです。そして、「暑苦しいな!」と思いたいです。刺激を受けて、自分がもっと暑くなりたいです。自己実現で燃えているような人、伸びていっている人に会いたいです。

前川: なるほど。

小林: 企業人で、全国や全世界で活躍されている方はより暑苦しいと思うのです。たとえ表情が冷めていたとしても、内面は噴火していると思うのですね。叱咤激励を言ってくれる人がいいです。おべんちゃらを言わないで、「自分の歩んできた道はこうだから、その道はこうだ!」と言ってくれる人ですね。

前川: ストイックな人を叱咤激励してくれるストイックな人がいいのですね。

小林: はい。あとは、夢を追いかけている人に会いたいです。例えば、世界でこの商品を売りたくて、何故それを売りたいかと言うと、こういう理由で世界で通用すると思うんだ、日本全国は回り終わったから、あとは世界なんだ、というような人です。町工場の一人の職人とかですね。自分には理解できないけれどこの人すごいな、という感覚も味わってみたいです。

前川: なるほど。

小林: あとは、時間を上手に使われて成功されている方にも会ってみたいです。プライベートで家族と触れ合ったり旅行に行ったりする時間もいっぱいありながら、仕事でもすごく成功されている方にお会いしたいです。

前川: 会いたい方がたくさんいらっしゃるのですね(笑)

小林: はい(笑)

前川: それでは今日はありがとうございました。

小林: ありがとうございました。

COMPANY INFO


株式会社サンリーホーム

【経営理念】
全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、共生の心をもって人類・社会の繁栄に貢献する。

【住所】
〒929-1126 石川県かほく市内日角1丁目3番地(MAP

【TEL】
0767-62-1515

【WEB】
https://www.sunrihome.jp/

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